「毎日暑くて、観光する気力がない…」「日かげを探して歩くのに疲れた」。そんな真夏の旅先にこそ、地下の世界なんです。
山口県には日本最大級のカルスト台地・秋吉台(あきよしだい)が広がり、その地下には洞内が四季を通じて17℃の特別天然記念物・秋芳洞(あきよしどう)が眠っています。おとなりの岡山県も、井倉洞(いくらどう)・満奇洞(まきどう)・備中鐘乳穴(びっちゅうかなちあな)を抱える鍾乳洞の宝庫。さらに広島の峡谷・帝釈峡(たいしゃくきょう)にも入れる鍾乳洞が待っていて、このあたりは「天然のクーラー」の密集地帯なんですよ。
この記事では、そんな大自然のパワースポットとも言える中国地方の鍾乳洞を7か所ご紹介!実は、中国地方で常時入れる観光鍾乳洞は、ほぼこの7か所に集まっています。定番の秋芳洞から、車椅子でも入れる景清洞(かげきよどう)、洞内に落差約50mの滝が落ちる井倉洞まで、どこも受付からすぐ洞内に入れて、登山のような装備はいりません。まずは早見表をチェックして、行きたい場所を見つけてくださいね。
中国地方の鍾乳洞7選 早見表
| No. | スポット名 | エリア | 洞内の気温 | タイプ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 秋芳洞 | 山口・美祢市 | 四季を通じて17℃ | 特別天然記念物・百枚皿 |
| 2 | 景清洞 | 山口・美祢市 | —(夏もひんやり) | 約700mバリアフリー |
| 3 | 大正洞 | 山口・美祢市 | —(夏もひんやり) | 静かに回れる鍾乳洞 |
| 4 | 井倉洞 | 岡山・新見市 | 約15℃ | 全長約1,200m・地軸の滝 |
| 5 | 満奇洞 | 岡山・新見市 | 15℃前後 | 千枚田・映画のロケ地 |
| 6 | 備中鐘乳穴 | 岡山・真庭市 | 一年を通して約9℃ | 文献に残る日本最古級・洞内富士 |
| 7 | 白雲洞 | 広島・庄原市 | 年間11℃ | 帝釈峡で唯一入れる鍾乳洞 |
※番号は紹介順の通し番号で、スポットの順位やおすすめ度を表すものではありません。
※洞内の気温・料金・営業時間は2026年8月時点で各公式サイト等から確認した情報です。変わることがあるため、お出かけ前に最新情報をご確認ください。
1. 秋芳洞(美祢市)四季を通じて17℃!国内第2位の総延長を誇る特別天然記念物

地下100mに広がる別世界!特別天然記念物「秋芳洞(あきよしどう)」
美祢市(みねし)、秋吉台の地下100mに広がる「秋芳洞(あきよしどう)」。国の特別天然記念物に指定された、総延長11.2km以上・国内第2位の大鍾乳洞です。一般観光コースは約1kmで、所要は片道約60分。洞内は四季を通じて17℃で一定なので、外が猛暑日でも、歩いているうちに汗が引いていくんですよ。
棚田のような「百枚皿」!自然の造形をめぐる約1kmのコース
この鍾乳洞の最大の魅力は、なんといっても造形のスケール!棚田のように皿が連なる「百枚皿」、天井へそびえる巨大な石柱「黄金柱(こがねばしら)」、青天井や傘づくしなど、名前を確かめながら歩くだけで約60分があっという間です。入口は正面・黒谷・エレベーターの3か所があり、体力や時間にあわせてコースを選べます。地上に出たら、頭上に広がっていたカルスト台地・秋吉台(あきよしだい)もぜひ。秋吉台カルスト展望台からは、緑の草原に白い石灰岩が点在する大パノラマを見渡せます。真夏の草原は日かげが少ないので、眺めは朝夕の涼しい時間帯が正解ですよ。
【お出かけ前のポイントと注意点】
- 足元:洞内の通路は濡れている場所があります。滑りにくい靴でお出かけください。
| 住所 | 山口県美祢市秋芳町秋吉 |
| アクセス(電車・バス) | JR新山口駅からバスで約40分 |
| アクセス(車)・駐車場 | 小郡萩道路「秋吉台IC」から約5分/駐車場複数(普通車500円・一部無料) |
| 所要時間の目安 | 観光コース約1km・片道約60分(往復約90分) |
| 開放時間・料金 | 9:00〜16:30(7/1〜9/30は〜17:30)/通常期 大人1,600円・中学生1,300円・小学生850円 |
| 地図 | Googleマップで開く |
2. 景清洞(美祢市)入口から約700mバリアフリー!車椅子でも入れる鍾乳洞

誰でも洞窟の涼しさに会える!平坦なコースが続く「景清洞(かげきよどう)」
秋吉台の北側にある「景清洞(かげきよどう)」。総延長1.5kmの鍾乳洞で、国の天然記念物に指定されています。この洞窟のいちばんの特徴は、入口から約700mがバリアフリーに対応していること。平坦な観光コースが続くので、車椅子でも洞内の涼しさを楽しめるんです。小さいお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで、家族全員で入れる鍾乳洞ですよ。
ライトを手に暗闇へ!別料金の探検コースでサンゴの化石に会う
物足りない人には、その先へ進む探検コース(入洞料込みで大人1,400円)があります。照明のない暗闇を、明かりを頼りに進むと、壁にサンゴの化石が見られる場所も。はるか昔にこの一帯が海だった証拠です。通常の入洞は大人1,100円・小学生600円、営業は8:30〜17:15(受付16:30まで)。もう1か所足すなら、同じ秋吉台エリアの大正洞へ。車で回れば秋吉台の鍾乳洞をはしごできますよ。
【お出かけ前のポイントと注意点】
- 探検コース:照明のないエリアに入るため、係員の案内・注意事項に従ってください。
- 服装:洞内はひんやりしています。夏でも羽織るものがあると安心です。
| 住所 | 山口県美祢市美東町赤 |
| アクセス(車)・駐車場 | 秋芳洞から車で約15〜20分(ルート・駐車場は美祢市観光公式サイトで確認を) |
| 所要時間の目安 | 観光コース 約40分 |
| 開放時間・料金 | 8:30〜17:15(受付16:30まで)/大人1,100円・小学生600円。探検コースは大人1,400円(入洞料含む) |
| 地図 | Googleマップで開く |
3. 大正洞(美祢市)静けさが主役!ゆっくり回れる秋吉台の鍾乳洞

混雑を避けてじっくり!秋吉台の静かな鍾乳洞「大正洞(たいしょうどう)」
秋吉台エリアの「大正洞(たいしょうどう)」。定番の秋芳洞にくらべて訪れる人が少なめで、洞窟の静けさをじっくり味わえるのがこの鍾乳洞の持ち味です。鍾乳洞の中は一年を通して気温がほぼ一定なので、ここも真夏の避暑にぴったり。静かな洞内に水滴の音だけが響く時間は、外の暑さを忘れさせてくれますよ。
秋芳洞とセットで回りたい!秋吉台の鍾乳洞めぐりの締めくくりに
営業は8:30〜16:30、入洞料は大人1,300円・中学生1,200円・小学生700円。秋芳洞・景清洞と同じ美祢市内にあるので、車なら秋吉台の鍾乳洞を1日で3か所回れます。にぎやかな秋芳洞で圧倒されたあと、静かな大正洞で締めくくる。そんな順番で回ると、同じ鍾乳洞でも表情の違いがよくわかって面白いですよ。
【お出かけ前のポイントと注意点】
- 服装:洞内はひんやりしています。夏でも羽織るものと、滑りにくい靴でお出かけください。
- 最新情報:営業状況は変わることがあります。美祢市観光公式サイトで確認してください。
| 住所 | 山口県美祢市美東町赤 |
| アクセス(車)・駐車場 | 秋芳洞から車で約15分(ルート・駐車場は美祢市観光公式サイトで確認を) |
| 所要時間の目安 | 観光コース 約40分 |
| 開放時間・料金 | 8:30〜16:30/大人1,300円・中学生1,200円・小学生700円 |
| 地図 | Googleマップで開く |
4. 井倉洞(新見市)高さ240mの絶壁から地底へ!洞内約15℃と地軸の滝

絶壁の足元にぽっかり入口!全長約1,200mの「井倉洞(いくらどう)」
岡山県新見市、高梁川(たかはしがわ)沿いにある「井倉洞」。高さ240mの石灰岩の絶壁、その足元に口を開けた入口から、全長約1,200mの地底めぐりが始まります。岡山県指定の天然記念物で、洞内の気温は約15℃。高低差約90mのコースを、銀すだれ、くらげ岩と、名前の付いた見どころを確かめながら進みます。入口の絶壁を見上げた時点で、もう非日常なんですよ。
洞内に落差約50mの滝!「地軸の滝」の水音で涼む
この鍾乳洞の最大の魅力は、なんといっても洞内の滝!落差約50mの「地軸の滝」は、洞窟のなかの滝としては国内屈指の規模といわれます。15℃の空気に、暗闇に響く水音。天然のクーラーに、滝の音の演出まで付いた贅沢さです。JR井倉駅から徒歩約15分、新見ICから車で約20分とアクセスも良好。営業は8:30〜17:00(受付16:30まで)・年中無休で、大人1,000円・中学生800円・小学生500円。外に出たら、高梁川沿いの井倉峡(いくらきょう)の眺めもあわせてどうぞ。
【お出かけ前のポイントと注意点】
- 洞内:階段や急な上りがあり、高低差は約90mです。滑りにくい靴でお出かけください。
- 服装:洞内は約15℃です。夏でも羽織るものが1枚あると安心です。
| 住所 | 岡山県新見市井倉409 |
| アクセス(電車) | JR伯備線「井倉駅」から徒歩約15分 |
| アクセス(車)・駐車場 | 中国道「新見IC」から約20分/無料駐車場あり |
| 所要時間の目安 | 洞内見学 約30〜40分 |
| 開放時間・料金 | 8:30〜17:00(受付16:30まで)・年中無休/大人1,000円・中学生800円・小学生500円 |
| 地図 | Googleマップで開く |
5. 満奇洞(新見市)与謝野晶子が名付けた鍾乳洞!15℃前後の幻想世界

歌人がたたえた「奇に満ちた洞」!横穴型の鍾乳洞「満奇洞(まきどう)」
新見市の「満奇洞」。もとは地名から「槇(まき)の穴」と呼ばれていましたが、1929年に訪れた歌人・与謝野鉄幹(てっかん)・晶子(あきこ)夫妻が「奇に満ちた洞」とたたえたことから、満奇洞と呼ばれるようになりました。岡山県指定の天然記念物で、全長約450m・最大幅約25mの横穴型。洞内は15℃前後で、真夏でも上着1枚でちょうどいい、ひんやり空間が広がっているんですよ。
棚田のような「千枚田」!映画『八つ墓村』のロケ地にもなった異世界
洞内の見どころは、日本屈指のリムストーンといわれる「千枚田」!水をたたえた小さな皿が棚田のように連なり、照明に照らされて幻想的です。秋芳洞の百枚皿と見比べてみるのも面白いところ。その独特の雰囲気から、映画『八つ墓村』のロケ地にもなりました。ミステリーの舞台になるほどの異世界感、のぞいてみたくなりませんか?井倉洞から車で約30分なので、新見の2大鍾乳洞をはしごするのが定番ですよ。
【お出かけ前のポイントと注意点】
- 服装:洞内は15℃前後です。羽織るものと、滑りにくい靴でお出かけください。
| 住所 | 岡山県新見市豊永赤馬2276-2 |
| アクセス(車)・駐車場 | 井倉洞から車で約30分/無料駐車場あり(普通車約100台) |
| 所要時間の目安 | 洞内見学 約30分 |
| 開放時間・料金 | 8:30〜17:00(入場16:30まで)・年中無休/大人1,000円・中学生800円・小学生500円 |
| 地図 | Googleマップで開く |
6. 備中鐘乳穴(真庭市)一年を通して約9℃!文献に残る日本最古級の鍾乳洞

夏でも約9℃!平安時代の書物に名が残る「備中鐘乳穴(びっちゅうかなちあな)」
岡山県真庭市(まにわし)にある「備中鐘乳穴」。平安時代の書物にその名が記された、文献に残る日本最古の鍾乳洞といわれています。全長約800mのうち約300mが観光洞として公開されていて、洞内の気温は一年を通して約9℃。秋芳洞の17℃よりさらに冷たい、正真正銘の天然の冷蔵庫なんです。真夏に入ると寒いくらいなので、上着を忘れずにどうぞ。
高さ3mの大石筍「洞内富士」!22階層の「五重の塔」も見どころ
洞内の主役は、高さ3m・直径5mの大石筍「洞内富士」!富士山のようにどっしりと裾を広げた姿は、気の遠くなるような年月が積み上げた造形です。22階層の鍾乳石が重なる「五重の塔」など、名前の付いた見どころが続きます。冬は営業日が土日祝のみに絞られるので、毎日開いている夏こそ行きどきですよ。
【お出かけ前のポイントと注意点】
- 服装:洞内は約9℃です。真夏でも上着が必須。足元は滑りにくい靴でお出かけください。
- 発券:入洞の発券は終了30分前までです。閉洞まぎわを避けて、時間に余裕をもってどうぞ。
| 住所 | 岡山県真庭市上水田8854-1 |
| アクセス(電車・タクシー) | JR姫新線「美作落合駅」からタクシーで約25分 |
| アクセス(車)・駐車場 | 中国道「北房IC」から約15分/駐車場 普通車160台 |
| 所要時間の目安 | 洞内見学 約20〜30分 |
| 開放時間・料金 | 10:00〜17:00(12〜2月は〜16:00・土日祝のみ営業)・火曜定休/大人800円・中高生500円・小人(5歳以上)350円 |
| 地図 | Googleマップで開く |
7. 白雲洞(庄原市)帝釈峡で唯一入れる鍾乳洞!年間11℃の洞内へ

峡谷歩きの途中で涼める!帝釈峡で唯一見学できる「白雲洞(はくうんどう)」
広島県庄原市(しょうばらし)、国定公園・帝釈峡(たいしゃくきょう)の上帝釈エリアにある「白雲洞」。帝釈峡に点在する鍾乳洞のなかで、唯一見学できる観光洞です。奥行きは約200m、広いところは幅5m・高さ20mという堂々とした空間で、洞内は年間を通して11℃。緑の峡谷を歩いてほてった体を、ひんやり冷やしてくれるんですよ。
セットで見たい天然の石橋「雄橋」!洞窟から徒歩15分ほど
白雲洞の楽しみは、帝釈峡の散策とセットで回れること。洞窟から遊歩道を15分ほど歩けば、川の流れが岩をくり抜いてつくった国の天然記念物「雄橋(おんばし)」に出会えます。峡谷の道は木かげが多く、夏の散歩コースとしても気持ちいい場所です。
【お出かけ前のポイントと注意点】
- 営業:不定休です。遠方から向かう場合は、庄原観光ナビなどで最新の営業状況を確認してからどうぞ。
- 歩きやすさ:峡谷の遊歩道を歩きます。歩きやすい靴と飲みものを持ってお出かけください。
| 住所 | 広島県庄原市東城町帝釈未渡 |
| アクセス(車)・駐車場 | 中国道「東城IC」方面から上帝釈エリアへ/駐車場あり |
| 所要時間の目安 | 洞内見学 約20分(雄橋まで徒歩約15分) |
| 開放時間・料金 | 9:00〜17:00・不定休/大人400円・小中高生200円・幼児無料 |
| 地図 | Googleマップで開く |
中国地方の鍾乳洞に関するよくある質問
Q1. 夏でも涼しいですか?
涼しいです。いちばん冷たいのは真庭市の備中鐘乳穴で、一年を通して約9℃。秋芳洞は四季を通じて17℃で一定、井倉洞・満奇洞は15℃前後、白雲洞は年間11℃です。外が猛暑日でも、洞内を歩いているうちに汗が引いていきますよ。景清洞・大正洞も、鍾乳洞の中は一年を通して気温がほぼ一定です。
Q2. どんな服装で行けばいいですか?
洞内は15〜17℃前後なので、長く歩くなら薄手の羽織るものがあると安心です。通路は濡れている場所があるため、足元は滑りにくいスニーカーで。景清洞の探検コースに参加するなら、汚れてもいい動きやすい服装がおすすめです。
Q3. 山口と岡山、1回の旅行で両方回れますか?
欲張るなら1泊2日が現実的です。美祢エリア(秋芳洞・景清洞・大正洞、あわせて地上の秋吉台カルスト展望台)で1日、岡山側(井倉洞・満奇洞・備中鐘乳穴)で1日が基本形。白雲洞まで足を延ばすなら、中国道沿いに西から東へ移動しながら回るのがおすすめですよ。
Q4. 車がなくても行けますか?
秋芳洞へはJR新山口駅からバスで約40分、井倉洞はJR井倉駅から徒歩約15分で、公共交通でも行けます。景清洞・大正洞・満奇洞・備中鐘乳穴・白雲洞は車が前提と考えたほうが現実的です。レンタカーがあると、全体にぐっと動きやすくなりますよ。
Q5. 車椅子やベビーカーでも入れますか?
景清洞は入口から約700mがバリアフリー対応で、平坦な観光コースを車椅子でも利用できます。秋芳洞にはエレベーター入口もあります。井倉洞は階段と高低差が多めです。コースの詳細や介助の要否は、お出かけ前に各施設へ確認すると確実ですよ。
Q6. 秋芳洞の入口はどこから入ればいいですか?
正面入口・黒谷入口・エレベーター入口の3か所があります。定番は川沿いから入る正面入口で、洞窟の入口が見えてくる景色ごと楽しめます。滞在時間が短いときや歩く距離を抑えたいときは、エレベーター入口が便利。入口によって駐車場が違うので、車の場合は先にどの入口から入るか決めておくとスムーズです。
まとめ
今回は、中国地方の鍾乳洞を7か所ご紹介しました。
お出かけの前に確かめておきたいのは、服装と回り方です。洞内は9〜17℃なので薄手の上着を1枚、足元は滑りにくいスニーカーで。美祢エリアと岡山・広島側は、それぞれ1日ずつみておくとゆったり楽しめますよ。
地上は猛暑でも、地下はいつもの9〜17℃。この夏いちばん快適な旅を探しに、山口・岡山・広島の地下へ出かけてみませんか。
気になる洞窟は見つかりましたか?
暑い夏だからこそ、ひんやりした地下の世界で涼んで、気持ちをリセットしたいですよね。
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